高血圧
高血圧
生活習慣病の一つで、日本でも年々増加していて高血圧患者数はおよそ800万人(平成20年 厚生労働省調査)と言われています。
高血圧は自覚症状がでにくい事がやっかいですが、高い状態が続くと動脈硬化を促進させ心臓や脳血管にも負担がかかってしまい2次的な疾病に移りやすくなります。
なんで血圧が高くなるの?
高血圧の原因のなかには腎性、神経性、血管異常性、内分泌性、薬剤性など血圧に関連する
器官の異常からの二次性高血圧の場合と、原因不明の本態性とがありますが、
多くの場合は本態性高血圧(90%)に分類されるそうです。
本態性高血圧には遺伝因子や生活環境因子も絡んでいるんです。
生活環境因子
・ストレス
・塩分の取りすぎ(食生活)
・運動不足
・過度の飲酒
・肥満
・カリウムやカルシウム不足
日本血圧学会(ISH)による診断基準
最高血圧140mmHg 以上 または 最低血圧90mmHg 以上
※ただし血圧は運動・緊張・食事後などで容易に変動しますので一定期間測ったうえで高い場合は治療が必要となります。
高血圧の薬を飲むと一生飲み続けないといけないの?
降圧剤(血圧を下げる薬)は高血圧を根本的に治す薬ではありません。
血圧を一時的に下げる作用をもつだけです。一定に下げることにより血管の損傷を少なくし、動脈硬化の進行を抑えることでリスクを減らすことができます。
生活習慣を改善し血圧コントロールができれば服薬を減らしたり、中止することもあるようです。
担当の医師の処方と指示に従い血圧のコントロールを目指しましょう。
鍼灸治療
東洋医学的所見
古書「病因指南」や「景岳全書」に高血圧のことを「火証」と表し、人体に熱が発生する状態をいいます。熱といっても発熱と違い、熱がこもった状態をイメージしてください。
こんな症状がでやすい ⇒のぼせ、肩コリ、動悸、頭痛、めまい、目の渇き・疲れ
東洋医学において熱がでる原因は冷ます力が弱いためでありこれを陰虚といいます。
臓器では陰に属する腎や肝の力が弱いために陰虚となるために熱が発生してしますのです。
使用するツボ
足のツボ:陰谷、然谷、湧泉、曲泉、足三里など
胸腹部のツボ:神蔵、巨闕、神闕、天枢、関元など
背部のツボ:志室、腎兪、膈兪、心兪、膏肓
頭のツボ:天柱、風池、百会など
熱は上昇する作用があるため頭に登りやすいため、頭部に気が上がってる状態をとるために頭部・頚部のツボが有効です。
高血圧は上記のようにあくまでもコントロールが必要になります。しかし鍼灸治療により改善する方は多く見られます。
メカニズムとしては自律神経系の調整による循環器の安定・血管運動の安定などが関わってきているのだと思います。
降圧剤と併用しながら生活環境の改善とともに体内環境の改善もはかることでより血圧安定が期待できます。
ナトリウムつまり塩分の取り過ぎは高血圧になります。ナトリウムは細胞の外に多く、細胞の内側にはカリウムが多く、そ
して水分は細胞の内側のほうが多いものです。
しかし塩は水分を吸収する働きがあります。塩分の取り過ぎにより血管内のナトリウム濃度が高くなると、血管内の水分が増し、
血管に圧力がかかる=血圧が高くなるわけです。
カリウムを多く含んだ食物を摂ることでナトリウムの排泄を促します。野菜や果物にカリウムが含まれます。
食生活にも十分気をつけましょう。
症例
60代 女性
主訴:肩こり、ふくらはぎの浮腫み
経過:血圧が高く、血行も悪い為、足の浮腫みや凝りが強い。血圧は160/80で降圧剤も飲んでいる。全身の筋肉の緊張が強い為、血管の流れがいたるところで滞るため心臓の血液を送ろうとする働きに負担が余計かかる。
日々の疲労もあり、精神的な緊張もある。肩や腰の緊張が取れてくると血圧も徐々に安定してきた。薬も効いているようであるが、仕事が忙しくなると症状が戻りやすい。忙しいときには必ず来院して頂いてます。