ここ数年、私に起こったこと
今日は少し、個人的なことをお話しさせてください。
長らく当院に通ってくださっている患者様に、いつかお伝えしたいと思いながらも、
なかなか話す勇気が持てずにいました。
実は、私は2020年に離婚を経験しました。
原因は、お互いの価値観の違いです。
どちらが悪いということではなく、少しずつ歩む方向が違っていったのだと思いますが、
仕事とプライベートでかなり無理をしていました。
離婚をきっかけに、一人になったことで強い孤独感を感じました。
さらに、ちょうどその頃にコロナ禍が始まり、
外出や人との交流が制限される閉鎖的な日々が続きました。
その孤独とストレスが重なり、心身ともに限界に近い状態になってしまいました。
漠然とした不安感、無気力、頭がぼんやりする感覚、
そして突然悲しみに襲われるような日々――
人と話すことさえ苦しく感じることもありました。
病院を受診すると、うつ病との診断を受けました。
薬を飲み、治療を始めることで一時的に症状は落ち着きましたが、
うつ病という事実を受け入れることができず、
通院を継続することがなかなかできませんでした。
その結果、症状は慢性化し、改善までに時間がかかってしまいました。
それでも、時間をかけて休み、周囲の支えを受けながら、
少しずつ回復していくことができました。
今では、その経験が自分にとって大切な学びだったと感じています。
正直に言うと、このことを患者様にはずっとお話しできませんでした。
医療者として、弱っている自分を見せることが怖かったのかもしれません。
でも今は、黙っていたことへの申し訳ない気持ちがあります。
本当はもっと早く、「私もつらい時期を経験しました」とお伝えしたかったのです。
うつ病や心の不調は、誰にでも起こり得ることです。
だからこそ、心や体がしんどい方に、少しでも寄り添える存在でありたい。
そんな気持ちで、日々患者様と向き合っています。
そして今、ようやく心も体も立ち直り、
改めて前向きに仕事に取り組んでいます。
この仕事を、生涯をかけて続けていきたい――
心からそう思っています。
これからも、これまでの経験を糧にしながら、
皆様の健康と笑顔を支えられるよう、精一杯努めてまいります。
2025.11.14 大熊 裕哉