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鍼灸と痛みの関係

鍼がなぜ痛くないのか?

さらに深堀りしてみましょう!

使っている鍼が細いというのは知っていただきましたね。
当院では行っていませんが、美容用の鍼(美顔鍼)では0.1mmの鍼が最も細い鍼です。
細ければいいのか?それは違うんです。
当院で使う1番鍼(0.16mm)で十分細いし痛みはでにくいです。
美顔鍼でさらに細い鍼を使う理由は出血のリスクを下げる為なんです。
顏には細い血管が張り巡られ、細い鍼でも血管を傷つけ出血する恐れがあるため、出来るだけ細い鍼を使用している様です。ただ先生によっては太い鍼を使用する場合もあるようです。

出血すると痛みを感じやすい
血管の内皮細胞が損傷すると血液凝固に伴いブラジキニンという発痛物質が産生される。
ブラジキニンは、血管を拡張させ血管透過性を亢進させるとともに、疼痛を引き起こす。
血管を傷つけることで痛みを感じる。逆に鍼は血管を傷つけないほど細く、柔らかいと言える。

痛覚とは

発痛物質だけが痛みを出すわけではありません。

皮膚感覚には侵害受容器というセンサーがあり、刺激を直接受けたり、炎症など細胞の損傷により発痛物質により痛みを感じたり、痛みを増強させる。
侵害受容器には2種類あり、皮膚の傷など強い痛みを感知する高閾値侵害受容器と、機械刺激や熱刺激、発痛物質すべてに作用するポリモーダ受容器とある。

あとは筋肉や靱帯、腱、関節、骨膜などから生じる痛みを深部痛覚と言います。これは神経終末(神経の枝の末端)で感知する。一般に深部痛覚は鈍い痛みで,皮膚痛覚に比べて局在性に乏しい。

他にも神経因性疼痛、心因性疼痛もあるがここでは割愛します。

痛覚は一定の部位に同じ刺激を連続して与えると,痛みを感じるレベルである痛覚閾値はむしろ低下し痛みを感じやすくなる(痛覚過敏となる)
ただ鍼においては鍼鎮痛の実験ではこの痛覚閾値を上昇する現象も確認されている(痛みに強くなる)
詳しくは下に記してあります。

鍼と鎮痛

鍼麻酔による鎮痛

特定の場所に鍼を刺して電気通電などで一定の刺激を与えることで麻酔効果が得られたと言われております。これを鍼麻酔と呼ぶ。

このように強い鎮痛効果もあり、鍼灸の効果を研究されてきました。
鎮痛の機序としては、刺激された神経線維により神経伝達物質が放出される。神経伝達物質のタイプはエンドルフィン、エンケファリンなど内因性オピオイドというモルヒネ様物質だった。また鍼刺激による求心性インパルスは脳内のドーパミンニューロンを活動させ、エンドルフィンに作用しドーパミンを放出させる。このドーパミンも疼痛抑制系にも関与していると言われている。

ゲートコントロール説
一般的に感覚受容器から神経線維へ刺激が入力されますが、触覚・圧覚は太い線維、痛覚は細い線維が信号を送りますが、脊髄に信号を抑制するゲートのような機序があるという説がある。

痛みを感じて細い神経線維が興奮しても、触覚を刺激すると介在ニューロンがゲートとなり、痛覚の細い線維の興奮を抑制する働きをみせる「痛いの、痛いの、飛んでゆけ~」がこれを指すと思います。
鍼灸においても浅い鍼やシールの置き鍼もこのゲートコントロールによる痛みの抑制が効いていると考えられる。

軸索反射
深部痛覚では筋肉の血流障害によつ虚血性疼痛もあります。いわゆる「凝って痛い」もこれに当たると思います。鍼刺激を神経終末に入り、感覚神経から神経伝達物質が自律神経のコリン作動性ニューロンに作用しアセチルコリンを遊離させて血管を拡張して筋血流量が増大し、虚血性疼痛を解消すると考えられている。

かなりコアな話になっているが、鍼灸はまだまだ不明点もあるので、科学的な根拠として挙げておきます。