小児はり
小児はり
小児に対しての鍼は「刺さない鍼」を使用します。皮膚をさする・こする刺激で神経の調節をおこないます。
小児はりの考え
子供は「ストレスがなければ泣きません」
おっぱいを飲ませてもオムツを変えても泣きやまない、これは異常な状態なのです。
子供のストレスとは赤ん坊の場合は空腹・皮膚への刺激(オムツ内のウンチやおしっこ)・痛み(病気やけが)、気持ちのストレス(人間関係・愛情など)などがあります。
「子供は何も考えてなくて幸せそうだなぁ」 これは大間違いです。
逆に子供は無意識でもストレスを受けいます。親御さんのケンカやイライラは、小さなお子さんでも感じ取り、子供ながらに恐怖や不安感となり大泣きして訴えてきてるのです。
でもお子さんが夜泣きやぐずったりすると今度は親御さんのストレスになります。
そこで、まずはお子さんのストレスを軽くしてあげることを優先に考えて、小児はりでお子さんの症状を軽減してご両親の負担の軽減にも繋がるようにしましょう。
適応疾患
疳の虫(かんのむし) 夜尿症 夜泣き など
だいたい生後6か月~小学校低学年のお子さんが対象になります。一回の治療時間は約5~10分程度、年齢+1分が目安です。
疳の虫
子供がわけもなく泣き叫んだり、「キーキー」といった声を発したりする。ヒステリーのような状態になることで、「疳の虫が騒ぐ」と昔から言われていますが、現代医学では「小児神経症」と呼ばれることもあり、脳の発達段階で次々と新しい刺激がやってくるため、情緒不安定になることが原因と考えられています。
症状:夜泣き、異常興奮、奇声を発する、不機嫌、噛みつき、かんしゃく など
治療期間:5~6回、なるべく連続して治療します。再度出る場合が多く、その都度3~5回程行います。
夜尿症
夜間寝ているときに無意識で排尿してしまう幼児期では「おねしょ」と言いますが、小学校入学以降の場合は「夜尿症」と言うのが一般的です。
原因は、夕方以降の水分の摂取量が多い、膀胱の未発達、抗利尿ホルモンの分泌不足、心理的ストレスなど
治療期間:軽症の場合は1~2週間で治る事もありますが、毎晩や一晩に何度もする重症の場合は、週に1~2回で半年から一年かかる場合もあります。
夜泣き
夜泣きは生後3カ月~1歳半くらいの赤ちゃんに多く見られ、特に空腹やオムツが濡れてるといった原因なく、夜中急に泣き出すこと言います。突然火がついたように泣き叫ぶ夜驚症もあります
はっきりした原因はありませんが、
●環境的な要因としては布団が重く苦しい、部屋が暑い・寒い、周囲がうるさいなどが考えられます。
●心理的要因また赤ちゃんでもストレスを受けることがあります。むしろ敏感に感じるとも言われています。ご両親のケンカやイライラがそのまま赤ちゃんに影響する場合もあります。
●生理的要因として睡眠リズムが未熟で、深い睡眠ができていない場合も考えられます。
治療期間:軽症で3回、重症の場合1週間程続けて治療をします。旅行や行事ごとなど普段と変わったことがあると 心理的要因(ストレス)となってまた再発することもありますが、すぐに治療を行えば早く治まります。
症例
1歳 女児
主訴:夜泣き、泣きが強い
経過:夜2時間おきに起きる。日中も機嫌が悪いと泣き方が、のけ反って泣きじゃくる。
腕や背中に張り硬さがあり、こめかみに青スジがでている。数回の治療で落ち着き、夜起きても泣くことは減った。
一旦終了しても調子をみてケアを勧めている。
イライラしていても、しなくても首や背中の張りがある場合は、早めのケアが必要と思われるが、ご両親が優しく背中をさすってあげるのも、ひとつの「手当て」になります。