こどもの睡眠
先日ヤフーニュースで、「大半の子どもが睡眠不足…」と目にしました。子どもの睡眠に何が起きているのでしょうか。記事の内容も含め、健康への影響くわえてまとめてみました。
まずは健康的な睡眠時間についてこちらを参考にしましょう。
厚生労働省が推奨する睡眠時間は以下のようになっています。
厚生労働省の推奨する睡眠時間
・1歳と2歳は11〜14時間
・3歳〜5歳は10〜13時間
・小学生は9〜12時間
・中学生と高校生は8〜10時間
調査結果
身体への影響
「寝る子は育つ」その言葉のとおり、
深いノンレム睡眠時に成長ホルモンが盛んに分泌され、脳内の神経ネットワーク形成や細胞の修復・育成、骨・筋肉形成が行われることはよく知られている。
睡眠不足は認知機能や記憶力、意欲の低下などを引き起こすことから『学力低下』につながる恐れがあると言われています。
そのほか心身の発育や人間関係、メンタルの不調など様々な影響があるという子どもの睡眠不足。
逆に幼児期に夜更かしをして睡眠不足が続くことにより、 幼児期の短時間睡眠はその後の肥満のリスク因子であるとされている。
中学生における就床時刻の後退、夕方の過眠の頻度と日中の精神症状との関係では、
就床時刻が後退しているほ ど居眠りの頻度が高いとイライラの程度が高く、抑うつや不 安の程度も症状が悪化しやすいようです。
これは 1 日の総睡眠時間 と関係がなくむしろ生体リズムとの関係があるということです。
このように、睡眠時間の短縮や生体リズムの変調は、身体の発育に悪影響を及ぼすだけでなく、脳機能や精神にも悪影響を及ぼし、日常生活に支障をきたす可能性があると考えられる。
子どもに見られる睡眠障害
1.閉塞性睡眠時無呼吸症候群
小児の睡眠時無呼吸障害はいびきで気づかれることが多い。苦しそうないびきに加え、陥没呼吸、寝汗、頻回の寝返り、夜尿、朝起床困難などの症 状が特徴である。
2.むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)
むずむず脚症候群とは、下肢を動かさずにはいられない衝動が,夕方~夜にかけて、安静な状態で生じ、下肢を動かすと改善するという特徴をもつ.むずむずするというような異常感覚により睡眠が妨げられる。
3.ナルコレプシーなど過眠疾患
過眠症の代表的な疾 患にナルコレプシーがある.日中の耐え難い眠気と,強 感情の動きによって誘発される脱力(情動脱力発作)が主症状である。
4.概日リズム睡眠障害
睡眠覚醒リズムがずれてしまい、望ましい時間帯に眠れない状態を指す。
5.不眠症
就床時のぐずりや 1 人で眠れないといった睡眠障害
睡眠の改善方法
1. 規則正しい生活リズム
毎日同じ時間に寝起きするようにしましょう。体内時計を整えることが大事です。概日リズムのズレによる睡眠障害を防ぐため決まった時間に就寝・起床するように心がけましょう。
2. 快適な寝室環境
寝室の温度、湿度、明るさ、騒音などできるだけ睡眠を妨げるものを避けるようにしましょう。季節によって合った寝具の選択も調整しましょう。
3. 就寝前の過ごし方
寝る前にゲームやスマホなどの使用は控えましょう。脳が冴えて深い眠りになりにくくなります。リラックスして眠りやすい状況をつくるといいです。
4.その他
ストレスを溜めないようする。カフェインを避ける。
上記のように取り組んでも変化が出ない場合は、専門機関に相談をお勧めします。
ただし、子供の睡眠障害の場合、受診する科は小児科や神経内科もしくは、心療内科がよいと思いますが、診療の対象外とすることもあるようです。受診前に電話で確認するとよいと思います。