不眠症

一般的に最もよく見られる睡眠障害です。適度な睡眠時間は6~8時間と言われ、そのくらい時間をとらないと休息されないとものです。

それより短い時間しか眠れない場合を「睡眠障害」と呼びます。

 

不眠症の分類

①入眠障害(困難)

②熟眠困難

③中断型睡眠困難(途中覚醒・早朝覚醒)

 

各分類解説

①入眠障害(困難)

これは寝つきが悪い人をいいます。ただし入眠さえしてしまえばぐっすり眠れるタイプです。

 

②熟眠困難

これは浅い眠りで、夢を多く見てすぐ覚醒して熟睡感がないと訴えるタイプです。

 

③中断型睡眠困難(途中覚醒・早朝覚醒)

朝早く目が覚めたり、夜中に目が覚めたりして、その後は眠れないというタイプです。老人やうつ病患者さんに多いタイプです。

以上の分類でも1つに当てはまらず2つ3つの型に当てはまる場合があります。1つより併発している方が多いかもしれませんね。

 

原因

 多くはストレスや緊張が原因で眠れないことが多いです。眠れなくなると、ますます眠れなくなってしまい不安や焦りが強くなってしまいます。

緊張やストレスが強い方は交感神経(自律神経のひとつ)が興奮し、うまくリラックスできないのも原因になります。

また体内リズムの異常も考えられます。

体内リズムは日概リズムと呼ばれ、脳の松果体から出るメラトニンがリズムを作る働きをしています。

睡眠・覚醒だけでなく体温や脈拍など自律神経系、ホルモン内分泌系、代謝などにも関与しています。

メラトニンは日光と拮抗反射的に分泌するため、日中は低下し夜になると増加してきます。

血中メラトニンが増加すると睡眠中枢を働かせ、睡眠を促し副交感神経を優位に保つこと作用があるのです。

つまりメラトニン不足は睡眠障害を引き起こす結果になりますので、日光に当たらない暗い室内での仕事の方や夜勤など昼夜逆転した仕事の方は日光浴が必要になります。

 

鍼灸治療

東洋医学的所見

不眠を病態としてみたときに、上焦(体の上の部分)に熱がある状態で起こる。

代表的なものは肝虚熱証で、夜になると血は肝臓に戻ると古典では記載されていますが、血が肝臓にもどる力がない場合や肝臓に戻る血の量が少ない場合は肝虚による不眠となります。血が少なく虚熱があるために頭に熱が滞るために頭が働いてしまうので途中覚醒や夢をみるといった症状が現れる。

腎虚でも同様に熱が発生する場合があります。腎は陰気を多く納める臓器なので、陰気の消耗、水分の消失、精気の消失は腎虚から内熱をおこり得ます。

例えば、心配事で眠れない、高齢者で長く寝れる体力が無い、性交渉のし過ぎなど

治療は上焦の熱をとって気の流れをよくすることが目的となる。

治療で使うツボ

頭にあるツボ:百会、攅竹、頭臨泣など

背部のツボ:肝兪、膈兪、身柱、神堂、至陽、膏肓など

足のツボ:失眠など

熱証ですがお灸が効きます。熱を発散させたり、頭の熱を下へ下げる作用があるのです。

不眠症は一度リズムを作ってしまえば、起こりにくくはなりますが、不規則な生活や過度なストレスはケアが必要になってきます。

 

注意することは・・・

・昼間寝ないこと!

・カフェインの取り過ぎ注意!

・一定の時間になったら床に就く

セルフケアとして・・・

・日光浴(日を浴びてメラトニンUP)

・音楽を聞く(ゆっくりとした好きな曲を)

・寝る前に読書(脳を疲れさせる)

・ストレッチする(血流がよくなり睡眠を促す)

・アロマテラピーでリラックス

 

症例

40代男性

主訴:まったく眠れない

経過:気分が晴れない、手足が朝重く、体全体がだるい。来院1カ月前から症状が現れた。仕事多忙でストレスが大きい休みもほぼ取れない。心療内科医と併用して当院へ。

睡眠は寝付けない(朝方数時間眠る程度)、途中覚醒が目立つ。治療経過中、体力の限界を感じ、休職した。

休職を機に体の緊張が取れやすく、少しづつリラックスできるようになった。入眠もしやすくなった。

休息する時間がないため鍼灸による回復を鈍らせていたケースであった。